人気ブログランキング | 話題のタグを見る

20年前君は腕の中

どれくらい前だっただろう 次女が ひらかなを読めるようになった頃の話だ
妻と次女が 二人で買い物に行った時、自分の姉の名前と同じ名前のラベルの瓶を 
お店でみつけて指を挿したらしい。

『 「か〇〇」って書いてあるよ 』

『 ほんとだぁ 』

ってことになって 僕に買って帰って来た。


それは 焼酎の瓶で なるほど 長女の名前と同じ名前が ひらかなで書いてあった。

なんだかもったいなくって その夜

「か〇〇が 二十歳になったとき一緒に飲む事にしよう」 っていってその瓶は飾ったままになった。 
まだ 長女が小学生の時だ 本当に二十歳まで取って置くつもりがあったかどうかも ハッキリ覚えていない

案の定、2回の引越しで その焼酎の瓶は 見当たらなくなった。




長女が二十歳を迎える年である 今回の引越しの後片付けのとき 妻が

「そういえば あの瓶見つかったよ」 って言った。


探しても見つからなかったのに 今年の夏に出てくるなんてね。







長女は 昨日二十歳になった
家で食事がしたいと言った



見つかった焼酎の瓶の裏には 平成9.12.25 って書いてある 
製造年月日だったとしても10年以上経っている
きっと 賞味期限のことだろうから もっと前の物なんだろうね

お酒に詳しい人がこれを読んだら 呆れちゃうのかどうか分からないけど 僕は約束通り 飲むことにした
ちょっと具合が悪くなったって構わないって思っていた

栓をあけて香りを嗅いでみたところ 大丈夫みたい。


乾杯をした後 氷だけをいれたその焼酎に口をつけた
この焼酎の元々の味を知ってるわけじゃないから なんともいえないんだけど ちょっとビックリするほど飲みやすくて キレイな味だった

お酒を飲まない長女だけど 気を使ったのか 「飲んでみる」 といって手を出した。
顔をしかめて
「除光液の匂いっ!」  っていったところをみると ほんとに普段も飲んでないみたいだな、ははっ。


こんなふうに出来るってのは 幸せで ありがたいことだね ほんとにそう感じます
それは もちろん僕だけじゃなくて 彼女本人にとっても。
だからって もちろん それが 苦しくない 悩みのない 事ではないけどね

今まさに 仕事、プライベート双方で 悩みの中の彼女は どんな誕生日だったかな
二十歳だからって 特別な思い入れを する必要なんかないけどね

ただね、たとえ悩みの中であったとしても 取り巻く毎日にプカプカ浮いてるだけじゃいけないよ
だって 悩みは波のように後からあとから 続いてくるんだもの

いま身体を揺らしている波をやり過ごしても また 後から新しいのが来るんだから。

それでも 運良く岸に着く人も居るし 離岸流に乗って沖に流される人も居るし 
岸と並行にずれていく人も居るから
コレばっかりはなんとも言えないけど

やっぱり 漕がなくちゃね  

漕いでこいで いなくちゃいけないとおもうよ

それは 君の倍以上生きている父さんも 同じだよ






「〇〇さん家の自慢の娘さん」 なんかにならなくていいよ

なんにも不満はないよ

いつでも味方だよ


お誕生日おめでとう。

# by gaga-tousuke | 2012-01-15 18:48